いぬのお話

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PART.1

1.何故トレーニングをするの?

犬が私たち人間の社会で犬らしい行動をしたらどうしましょう?

犬らしい行動とは、吠える、噛み、スリッパなどを噛む、いろんな所でトイレをする、飛びついたりしてはしゃぐ、など他にもいろいろあると思いますが、非常に困りますよね。しかし、こういった行動は犬にとって『ふつう』の行動なんです。

例えば、吠えている時に叱られたら、「なぜ吠えたらパパ、ママは怖い口調になるんだろう?」と叱られてる理由が分かりません。だって吠えるには吠える理由があるはずですから。「不審者が来たぞ!」とか。ですから、吠える理由を考えてあげたり、吠えないことを褒めてあげたりして、私たちから人間社会のルールやマナーを教えてあげる必要があるんです。

もし、トレーニングを行い、誰からも受け入れられ、飼い主様も愛犬との生活に不安や不満がなくなれば、これからもっと楽しい犬生活が待っています。

2.トレーニングの種類

モチベーショナルトレーニング
「モチベーションを高く持つ」といった言葉がありますが、そのモチベーションです。つまり、犬がやる気をもって行動してくれるようになるトレーニングです。例えば、「おすわり」と飼い主様が言ったら、喜んで座り、「おいで」と呼ぶと、「待ってました」とばかりに来てくれ、お散歩では愛犬も楽しく歩いてくれる、そんないきいきした犬育てのトレーニングです。

ご褒美トレーニング
愛犬が喜ぶものすべてがご褒美になります。望んでいる行動を愛犬がしてくれた時にどんどん褒めて、その行動を覚えていくトレーニングです。おもちゃ、おやつ、お散歩、お出かけなど、いろんなものをご褒美に使っていきます。

クリッカートレーニング
クリッカーという「カチッ」と音が鳴る道具があります。この音が声で「いい子」と褒める代わりになります。犬にとっては分かりやすいトレーニングです。タイミングが大事なトレーニングですので、飼い主様にしっかり教えさせていただいています。

3.褒めてしつけよう

犬には得意なことと不得意なことがあります。

犬に『それはダメ!!』と、してはいけないことを教えていくよりも『それいいね』『かしこいね』と出来たことに対して褒めてあげるほうが理解してくれます。例えば、スリッパを噛んだら「怒る」よりも、噛んでも良いものを与えてあげるほうが、その結果スリッパを噛まなくなります。

もし、トイレトレーニングが上手くいかない場合、間違った所でした時に『そこでしたらダメ!』と怒っていませんか?一度、上手くできた時だけ『かしこいねぇ』と言いながらおやつをひとつあげてみましょう。

褒めてしつけるトレーニングは子どもも楽しく行えますし、フリスビーやアジリティなども犬自身が楽しみにやる気満々でしてくれます。

4.クリッカートレーニングは面白い

家族内でも愛犬に対する褒め方って違いますよね。『グッド』や『よしよし』と言ったり、『出来た出来た』と言ったり。いろいろあると思います。でも、褒め方が家族内で同じになれば愛犬はより早く褒められていることを理解してくれます。そこで便利なのが右の写真にあるクリッカーです。この道具はいつも『カチッ』と同じ音が鳴ってくれますので、この音が鳴れば良いことがあるということを愛犬に教えてからトレーニングに入っていきます。

まずはカチッと言う音の意味を教えていきます。
カチッと鳴らすたびにご褒美を与えていくと、愛犬は『音が鳴ったらいつも美味しいものをくれるぞ』と考えるようになります。これで準備はOK。教えたい行動を考えて、その行動をしてくれたらクリッカーをカチッと鳴らします。

例.お座り 1.クリッカーとご褒美を持って、少し待ちましょう。
2.偶然犬が座ったらクリッカーを鳴らし、ご褒美をあげます。
3.座るたびにクリッカーを鳴らし、ご褒美をあげます。
4.愛犬が座る回数が増えていきます。

5.ご褒美の使い方

愛犬に何かを教える時にご褒美はどんなものを使いますか?

私の場合は、おやつやおもちゃ、お散歩の時などは自由時間を与えてあげることなどをご褒美にします。そういったご褒美をあげる時に心がけているのは、『わーい!やったぁ』といううれしい気持ちに犬をさせてあげることです。そうすると、『もう一回褒められよう』とがんばってくれます。『うちの子はおやつがないとなかなか言うことを聞いてくれないの』とよく聞きますが、おそらくこれは、ご褒美を見せながら教えてしまっているのではないでしょうか?ご褒美を親指と人差し指で見えるようにつまんだりして。

少しばかり、サプライズな演出をしてあげると良いかもしれません

6.何度怒らせるの!!

大事なものを噛んだり、汚してしまった時ついつい怒ってしまうことってありますよね。しかし、何度も怒っているのに愛犬の行動が変わらない場合は少し考え直したほうが良いかもしれません。

怒られていることが分かっていればその行動は減っていくはずですから、行動が改善されないということは怒られていると思っていないことが多いんです。もしかしたら、こちらが怒っていることが『やったぁ、ママが反応してくれたぞ』と逆に喜んでいるのかもしれません。もう一回考え直してみましょう。

効果のある叱り方ならば、何度も叱る必要はないはずですよ。

7.カーミングシグナル

愛犬が見せる様々なしぐさには意味があります。このしぐさの中にカーミングシグナルと呼ばれているものがあり、ノルウェーのチューリッド・ルーカスさんが発見したものです。今の所27個のシグナルがあると言われています。

どんな時に犬はカーミングシグナルを見せるのでしょうか?
CALMING SIGNALの『CALM』とは落ち着くという意味ですから、自分を落ち着かせる時や相手を落ち着かせようとする時に見せることが多いと言われています。

あくびをしたり、よそ見をしたり、身体を掻いたり、おじぎの姿勢をとったり、様々な合図を出してけんかになることも減らしていきます。

8.犬って何故、噛むの?

「犬が噛みようになって困っているの」という依頼を受けてお伺いするお宅でよく言われるのが『うちの子は気が強いのかな?』、『なめられているのかな?』です。

犬が噛みには理由があるんですね。
1.それは犬だから
2.怖いからです。

噛みというのが『なめられている』と勘違いしてしまって、咬んできたら、力でやり返すことがあるかもしれませんが、もし、怖いから咬んでいるとしたら、愛犬はさらに恐怖を感じてしまうことになってしまいます。恐怖を感じればさらに同じ状況で噛みようになるでしょう。もしかしたら、さらに噛みようになるかもしれません。どんな時に咬まれているか一度考えてみてくださいね。

力でやり返して咬まないようになることもあります。しかし、多くは無気力になってしまっていることが多くあることを忘れないでください。

9.管理するってどういうこと?

子犬が家に来たら、きっと家の中で自由にさせてあげたいと思われる飼い主様は多いと思います。家中を楽しげに走り回っている愛犬は見ていても楽しいものですからね。ただ、家中を自由にできて、ハウスの中でもおとなしく出来ると、飼い主様も愛犬も生活の幅がさらに広がります。

ハウストレーニングがしっかり出来ていると、旅行先にも連れて行けますし、家でお留守番をさせている時にも、いたずらを予防できますから、愛犬もいたずらをする楽しさを知らずにすみます。結果、怒らずにすみますし、腹が立つこともないですよね。そして、愛犬にも部屋の中に一人でゆっくり出来る居場所を作ってあげるとさらにリラックスしてくれます。「疲れたからベッドで寝よー」ってね。

ハウスって狭いからかわいそー、と考えられる飼い主様は多いと思われますが、写真のように、部屋に開けっ放しのゲイジを私は置いていますが、誰も相手してくれないと分かれば、自分から入って寝ていますよ。閉じ込められる場所ではなくて、リラックスできる場所にしてあげましょう。

10.ご褒美の種類

さあ、トレーニングをするぞ!!!と思ったものの犬に何かを教えるには、できた時に『よく出来たね』という思いを伝えるものが必要ですよね。そう、ご褒美。

ご褒美と言われると食べ物を思いつかれる方は多いと思います。ジャーキーやささみが好きなワンちゃんは多いですからね。私もささみを湯がいてオーブンで焼いておやつにすることもよくあります。

ただ、ご褒美は食べ物ばかりではありません。ボール遊びが好きな子なら教えたい行動をしてくれた時にボールを投げてあげると喜びますし、お散歩中なら匂いを嗅がせてあげたり、行きたがっている所に行かしてあげることもご褒美になります。オスワリを練習中でしたら、お散歩中に電柱ごとにオスワリをさせて、その後、『いいよ』と言ってから地面を嗅がせてあげるのもご褒美になるでしょう。『食べ物のご褒美ランク表』、『おもちゃのご褒美ランク表』を作ってみると役に立ちますよ。

11.愛犬に仕事を与えよう

皆さんのおうちにいるワンちゃん。犬種は何でしょう?
MIX犬、ダックスフンド、チワワ、ポメラニアン、パピヨン、ボーダーコリー、柴犬、ラブラドール、ゴールデンレトリバー、シェパードなどなど、書き出したらきりがありません。

では犬たちは可愛いがられるためだけに生まれてきたのでしょうか?愛玩犬種と言われている犬たちはそのとおりですが、たいていの犬種は何らかの仕事をしてほしいために作られ生まれてきました。

例えば、ダックスフンドは穴の中にいる小動物を吠えることでおびき出したり、ボーダーコリーは羊の群れを追いかけて一箇所にまとめてくれます。ラブやゴールデンは鳥を撃って、落ちてきた鳥を回収してくれます。水の中に落ちたら、飛び込んで咥えてもってきてくれます。

ただ、その仕事を与えることは実生活ではムリですよね。オスワリすること、伏せて待つこと、持ってくること、などなど、そういったことも犬たちにとってはお仕事になります。そして、がんばってしてくれた時には最後にたっぷり褒めてあげましょう。ご褒美をあげてみましょう。

私たちもがんばった時に褒められるとうれしいですから。
吠えやすいワンコたち
ビーグル
ダックスフンド
ミニチュア・シュナウザー
ポメラニアン
シーズー
ヨーキーなど

吠えにくいワンコたち
バセンジー
ボクサー
コッカースパニエルなど

運動量の多いワンコたち
ボーダーコリー
ジャーマンシェパード
ゴールデンレトリバー
ラブラドールレトリバーなど

運動量の少ないワンコたち
バセットハウンド
チワワ
パグ
ヨーキーなど

12.あなたは犬派?猫派?

ワンちゃんと上手に付き合っていく方法ってあるでしょうか?もちろん上手に付き合う方法の答えは1つではありません。上手に付き合えていると感じられている飼い主様の方法がベストだと思います。では、上手く付き合えていないと感じられる飼い主様は、どうして上手くいかないのでしょうか?

私がいろいろな飼い主様と接していて感じるのは、上手だなぁと感じる飼い主様は褒めるのが上手だと言うことと、適切な時に褒めておられると言うことです。そして、猫のように接しておられる方が多いです。猫は追いかければ逃げるので、猫を飼われている方は、猫を追いかけることはしません。その代わり、猫から寄ってきたらやさしく触ってあげたりしておられます。この考え方は犬と上手くいっていないなぁと感じておられる飼い主様は試してみてはいかがでしょうか?ワンちゃんがそばに来るまでは、我慢我慢。ワンちゃん自身が近くに来てくれたらやさしく触ってあげましょう。もし、逃げてしまっても気にせずに次のチャンスに期待しましょう。

PART.2

1.犬の観察力

いろいろなお宅をお伺いしますが、愛犬はホントによく飼い主様を観察しています。そして、見ているだけで飼い主様の普段の愛犬との接し方がよくわかります。

犬は楽しいことが好きです。お散歩、おもちゃ遊びやご飯の時間などいろいろあると思います。その楽しい時間がいつ起こるかを毎日の生活の中で学習しています。

ジャンパーを着る=お散歩へ行く
リードを持ってくる=お散歩へ行く
車の音が聞こえる=飼い主様が帰ってきた
ご飯の食器の音=ご飯の時間

他にもいろいろなルールが各家庭であると思いますが、こういったルールを愛犬が理解しても別に困らないと思います。

しかし、同じルールで困った行動を学習していることも多々あります。良くご存知だと思いますが、『要求吠え』がその1つですよね。吠えたら関心を持ってもらえるというルールです。他にもいろいろな飼い主様の習慣を愛犬は見抜いていますので、困っていることがある時には一度見直してみてくださいね。

2.犬を育てる環境

犬を育てる環境は各家庭で違うと思います。家の中で飼っている方でも普段はサークルの中という場合や部屋で自由にさせている飼い主様。あるいはお庭で飼っているよという飼い主様。

家の中で飼われている方はクレート(扉の閉めれる箱タイプ)に落ち着いて入ってられるように教えておくと過剰な吠え、何でも噛んでしまうといった問題を防ぐのに役立ちます。もちろんお庭で飼われている方もお出かけの時、災害時などに役に立ってくれますよ。

愛犬の運動量
いろいろな問題行動の発端は運動不足です。犬種図鑑などでスポーティンググループ、ハーディンググループに分類されている犬種は毎日かなりの運動量が必要になってきます。ボールなどの『もってこい遊び』が出来ると充分に運動させてあげやすくなりますよ。全力で走りますからね。

精神的刺激
体育の時間の後は疲れましたよね。でも、教室の授業でも頭が疲れました。犬にも頭を疲れさせてあげることも重要なんです。

『バスターキューブ』や『デンタルコング』といった食べ物を中に入れられるおもちゃが長い間遊んでくれる良いおもちゃです。器用に手を使ったり、おもちゃを立てたり、咥えて放り投げたりして、中の食べ物を出そうと頭をフル回転させてくれますよ。

スポーティンググループ
ラブラドール・レトリバー
ゴールデン・レトリバー
イングリッシュ・スプリンガー
アメリカン・コッカー
イングリッシュ・セッター
ワイマラナーなど

ハーディング・グループ
シェットランド・シープドッグ
ウォルシュ・コーギー
ボーダー・コリー
ジャーマン・シェパードなど

3.愛犬を満たしてあげましょう。

犬のおもちゃとおもちゃの管理
おもちゃにはいろんなサイズやいろんな素材で出来たものがありますが、一番気をつけてあげたいのが、サイズですね。とにかく、飲み込んでしまわないような大きさを選んであげてくださいね。

おもちゃの管理方法は、普段与えてあげるものはおやつなどを入れてあげられるおもちゃです。前回にお話したデンタルコングなどですね。そういったもので一人で過ごすことが出来る様に育ててあげると良いと思います。ぬいぐるみやボールなどのおもちゃは一緒に遊ぶ時に出してあげて終わったら片付けるというように管理してあげるといつまでもおもちゃに興味を持ち続けてくれて一緒に遊べますよ。出しっぱなしにしていると興味を失いやすくなりますから。

ゲーム
もってこい遊び:おもちゃを投げてあげて持ってきてくれたらおやつと交換してあげましょう。そしてまたおもちゃを投げてあげ、また持ってきてくれたらおやつと交換します。少しずつ遠くに投げてあげましょう。
宝探しゲーム:最初は愛犬が見ている所でおやつを隠してみましょう。数個隠してから『探して』などの合図で自由にしてみます。おやつを見つけるたびに大げさに褒めてあげましょう。少しずつ見つけにくい所に隠してみましょう。この遊びから隠している間の『オスワリマテ』が身につきますよ。もちろんおもちゃでもできますよ。
引っ張りっこ遊び:ロープなどのおもちゃを使って引っ張りっこ遊びも犬は好きですよ。気の弱いワンちゃんにはこの遊びを通じて自信をつけさせてあげることもできます。逆に気の強い子には『出して』などの合図でおもちゃを放してくれることを身につけさせましょう。

こういったゲームをトレーニングの合間にしてあげるとトレーニング自体も大好きになっていきますよ。だって、その後には楽しいゲームが待っていますから。

4.合図には解除をつけましょう

オスワリ、フセ、おいで、マテ、オテ、ボール遊び、などなど、いろんな合図を愛犬に教えておられるでしょうし、愛犬も理解してくれていますよね。では、いつまでオスワリしていたらいいのでしょうか?いつまでボール遊びを続けてくれるのでしょうか?

終わりの合図を決めてあげると愛犬も今以上に飼い主様の言葉に耳を傾けてくれますよ。

例えば、『オスワリ』と言うと座ってくれるのでしたら、「OK」や「いいよ」「おしまい」などの合図をかけてから自由にさせてあげましょう。そしてまた「オスワリ」と言って座らせてから「OK」の合図で終了です。

『マテ』の時も一緒です。「マテ」と言うと待っていますよね。愛犬は「いつまで待てばよいのか分からない」と動きやすくなりますので、「もういいよ」や「OK」などの合図をかけてから終わりにしてあげましょう。今まで以上に確実に待つことが出来るようになると思います。

うちでは、自宅内で愛犬とボール遊びなどをして遊んだ時は、充分遊んだと思ったら「終わり」と言っています。その言葉が出たらそれ以上遊んでくれないのを愛犬も知っているので、「もっと遊んで」と言った要求ぼえなどもありません。好きな場所へ行って満足したかのように横になっています。

5.効果的にトレーニングを進めましょう

せっかくトレーニングを始めてみようと思ったのですから、効果的にトレーニングしていきたいですよね。

そのために愛犬に理解させてあげて欲しいことがひとつあります。それは、『愛犬にとっての楽しいことすべては、飼い主様から与えられる』ということです。

大好きなおもちゃはいつも愛犬の手の届かない所においておき、飼い主様が管理しましょう。遊んであげる時間は飼い主様が決めて飼い主様のペースで遊びます。

食事は生きていくために必須のものです。ですから、もしご飯を食べない時があったら思い切って片付けましょう。そして、次のご飯の時間まで出さないようにしましょう。愛犬にとって大事なご飯も飼い主様が管理してあげてください。出しっぱなしはご飯を一層食べ難くしてしまいますしね。

お散歩中の草むらなどへの匂い嗅ぎも自分勝手に行かせない様にしましょう。自由な時間は飼い主様が『いいよ』などの合図で与えてあげてください。

飼い主様からいろんな楽しいことが与えられるわけですから、愛犬はより一層飼い主様に魅力を感じて生活してくれますよ。

6.ゆっくり教えてあげましょう

今、あなたは愛犬に何を教えていますか?

私も飼い主様とお話をしていきながら、オスワリ、フセ、マテ、持ってこい、出せ、戻ってくること、などいろいろと指導しています。

飼い主様が愛犬にいろいろなことを覚えてほしいという気持ちがたくさんあることは私にとってはうれしい限りですが、一度にたくさんのことを教えてしまって、結果的になかなか覚えてくれないと言うことになることがたまにあります。ですので、私は「ひとつのことを確実に教えてあげましょう」とお伝えしています。

食例.呼んだら来ることを教える時
『おいでー』と数回呼んだら戻ってくれましたが、飼い主様は褒めないでそのままオスワリをさせました。でもワンちゃんはオスワリをしません。この場合は、呼んですぐに戻ってくるまでは戻ってくることだけを教えてあげましょう。オスワリはオスワリだけを別の時間に教えてあげましょう。『おいで』と『オスワリ』がそれぞれ確実にできたら『おいで』と呼んで来てくれたら『オスワリ』もさせてみましょう。

7.お休みの日に

先日午前中だけ休みという日があったので久しぶりに釣りに出かけました。昔はこれで釣れた、という仕掛けをしたのですが全く釣れず・・・浮いている「うき」をぼーっと見ながら『今、つり針の周りではどうなっているのだろう?』『魚はどうやって針に食いつこうとするのだろう?』と思いました。

トレーニングにお伺いして飼い主様といろいろ話をしていると、『今まで間違ったことしていたな』『ぜんぜん犬のことが分かっていなかったね』と言っていただける飼い主様がいらっしゃいます。

釣りに出かけた時に僕は『自分は魚のことを知らないんだなぁ』と感じながら釣りをしていましたが、これが飼い主様が、『犬のこと、分かっていなかったな』とおっしゃるその気持ちなんだ、と痛感しました。

そして改めて、飼い主様に犬という生き物の気持ちや考え方をより分かりやすく伝えられるようにならなければ、と実感しました。

8.お散歩について

愛犬は毎日疲れていますか?
ここでいう「疲れている」と言うのは、いい汗かいていますか?ということです。運動が好きな人はサッカーや野球などをした後はすがすがしく疲れていますよね。読書が趣味な方は読み終えた後って「面白かった♪♪」と満足していますよね。犬の場合は、体を動かすことで同じ満足感、疲労感を与えてあげられます。

お散歩などの運動で満足して疲れてくれた愛犬はぐっすり寝てくれるでしょう。自宅内などで物をかんで困ったり、吠えて困るといった問題も解消することが多くあります。

困った行動って最初は有り余ったエネルギーを消費するために自分で考え出した遊びのことが多いのです。吠えることで有り余ったエネルギーが燃焼できることに気付いたワンちゃんは吠えやすい状態になります。何かをかじることで暇な時間を楽しい時間に変えられることに気付いたら暇があったら物をかじる癖がついていきます。

飼い主様にとっては十分なお散歩でも、愛犬には物足りていないことも結構あります。愛犬が満足できるだけのお散歩を出来るだけしてあげてくださいね。

9.子犬を飼ったら・・・

子犬が家にやってきた。まず何をしますか?
サークル、トイレシート、水入れ、食器などいろいろそろえられたと思います。かかりつけの病院を見つけてワクチン接種にも落ち着いたら行きますよね。

では、環境馴致(かんきょうじゅんち)って言葉を聞いたことはあるでしょうか?いろんな環境に慣らしてあげるということです。『抱っこしてなら外に出ていいですよ』と、動物病院の先生に言ってもらったら是非出てくださいね。

生後14週齢頃までが、スポンジのように何でも吸収してくれやすい時期です。もちろんそれ以後も重要です。

車の音、バイクの音、トラックの音、子どもたちのはしゃぎ声、自転車、他の犬、猫、鉄板の音などなど、知らないものが外の世界にはたくさんあります。でも、子犬の時期って怖いもの知らずですので、あっという間に慣れてくれます。

『お散歩を始めてもよいですよ』と言ってもらえたら、さっそくリードをつけて外を歩いてみましょう。怖がって動かないこともあるでしょう。意外とドンドン歩くこともあるでしょう。

お散歩中におやつをあげるようにすると、外にいることに楽しさを持つようになってくれますから試してください。ムリにリードを引っ張るなんてことはしないようにしましょう。動けないことには理由があるはずですから。

10.犬は応用が苦手

愛犬に何かを教えようとした時、例えば「おすわり」。

ご飯の前やおやつをあげる時に教える場合が多いと思いますし、覚えるのも早いでしょう。だけど、違うシチュエーションで同じように「おすわり」と言ったけど、してくれないということは多くの方が経験していることと思います。

「家の中ではしてくれるんだけど、お散歩の時はなかなか家の中のようにはいかないよね」ということもよく耳にします。

「犬は応用が苦手です」。

自宅内で練習していることは自宅内の環境では得意になっていきます。少し思い返してみてください。今では得意に出来るようになったお座りも最初の頃はご飯の度に「オスワリ」と言って教えてきましたよね。その気持ちで今出来ない場所でも教えてあげましょう。必ず出来るようになりますよ。

犬は経験から学習します。
「ここでも座ったら褒めてもらえるんだ」と思ってくれるようになれば、いろんな所で、他のワンちゃんのいる前でも出来るようになりますよ。

11.愛犬が急に咬みだした

今まで可愛がっていた愛犬が飼い主様に対して急に咬みだしたら非常にショックですよね。

ですが、犬が飼い主様を噛みようになるまでにはいろいろな警告をしてきているものです。

問題1:ご飯を食べている時に近づいたら急に咬みにきた。

ご飯を食べ残した犬が遠くに離れているのに、人が入ってきたら「ご飯を取られる」と思い、食器の前でフードを見ています。でもまだ、それだけです。が、問題は始まっています。そのうちに食べている時に人が動くと食べているのをやめて動かなくなるでしょう。人がいすなどに座るとまた食べ始めます。この時点で咬みにはこないでしょうが、かなり危険信号です。

食べている最中に人が近づいてくると唸り始めるでしょう。

咬み始めるとこれはダメだと言うことで愛犬を叱り始めます。そうすると、さらに関係は悪くなり悪化していきます。

問題2:撫でていると急に噛みようになった。

まず分かっていただきたいことは撫でられることが好きな子は撫でてあげようと手を近づけても歯を当ててはきません。

噛み子はまず、撫でようとすると軽く歯を当ててきます。そのまま育てていくと噛み力が強くなってきて、痛いので飼い主様が手を離してしまいます。

噛んだら離してくれると思い込むのでまた噛んできます。愛犬が手を噛む→人が手を離すの流れです。嫌な時には噛めばいいのだ!!と噛むことが当たり前になり始めます。

それぞれはひとつの例ですが、本気で噛みようになるまでには何度も何度も愛犬は警告のサインを出してくれています。

12.ごはんを食べない・・・

愛犬がご飯を食べてくれない、あるいは、いつも残してしまうということは結構ある話です。

しかし、よくお話をお聞きしていると「食べて欲しいから食べ残しのお皿をそのまま出しっぱなしにしている」と言われることが結構あります。

食べて欲しい気持ちはよく分かりますが、出しっぱなしにしていると、いつでも食べることが出来るので、すぐには食べなくなってしまいます。「後で食べるから置いておいて」と言われているかのように。でも実際はそのとおりです。

まずは、食べなくても10分~15分で片付けてみましょう。もし、食べなくても次のご飯までは我慢させることがポイントです。

他にも「ドッグフードだけでは食べないからトッピングをしている」と言うお話もお聞きします。でもさらにお話をお聞きしていると、トッピングの質がドンドン上がっているということも。

もちろん、トッピングが悪いわけではありませんよ。うちの家でも魚を食べる時は魚の骨や皮がうちの犬のご飯にはのっていますから。おいしそうに食べています(笑)

トッピング付きドッグフードをよく食べてくれるからトッピングをグレードアップする場合は良いでしょうが、食べてくれないからと言う理由でグレードアップしてしまうと、どんどんグレードアップしていかないと食べなくなってしまいます。とにかく、少量でもご飯を完食させてみましょう。

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